日本観光特産大賞2021

👑「グランプリ」『広島県:瀬戸内 広島レモン』
✨金賞「優秀賞」『長崎県:五島手延うどん』
✨金賞「ニューウェーブ賞」『沖縄県海洋深層水』


ご自身の商品開発や販売を支援している特産品、ご自身のお住まいの地域・県の特産品、知り合いの方が生産している特産品など推薦いただき、2021年も数多くのノミネートがありました。その中から観光特産協会専門委員会による選考で10品に絞り込み、ノミネートされた特産品を1位から10位までのランキングを付け、ポイントによる加点方式で集計し「観光特産大賞 グランプリ」「金賞 優秀賞」「金賞 ニューウェーブ賞」が決定しました。

過去の受賞はこちら→→【日本観光特産大賞2020】 【日本観光特産大賞2019】

日本観光特産大賞「グランプリ」 

広島県:瀬戸内 広島レモン

受賞団体

広島県果実農業協同組合連合会(JA広島果実連)

商品特性

広島のレモンが収穫される瀬戸内地方には、しまなみ海道をはじめ島々が演じる景観地が多い。瀬戸内海沿岸の気候は降水量も少ないことでレモン栽培に最適で、防腐剤不使用、ノーワックスにこだわっているので皮まで安心して使用できる。安全性の高さから皮ごと使う飲料をはじめ、スウィーツや鍋料理等多数のレシピも生まれた。
広島のレモン自体も高品質をもつ地域ブランドとして広まり定着している。歴史は明治31年に広島県呉市豊町に導入されて以降、県内の島しょ部で栽培が広がった。本格的には平成20年にJA広島果実連が「広島レモン」で地域団体商標を取得して以降、産地での生産振興と同時に様々なイベントの企画や食品・飲料メーカーとのコラボを通じてブランド化に取り組んできた。

推薦の言葉

・「最近の<レモン人気>は目を見張るものがある。特にこの瀬戸内レモンの人気はここ数年ずっと上昇している。観光面からみても、穏やかな内海の瀬戸内海は眺めるも良し、サイクリングなど(しまなみ海道)アクティブな観光も良しという点で老若男女問わず楽しめる要素がある。」槙利絵子(観光特産士マイスター 観光コーディネーター)

・「レモンを使ったレシピが女性観光客に好評となった。」日野隆生(東京富士大学教授)

・「瀬戸内レモン」=瀬戸内海観光特産品と合致。日本のエーゲ海のイメージに一役買う。斎藤省吾(商品開発コーディネーター)

・「広島県は、レモンの生産量が日本一で、主に瀬戸内海の島々を中心に、生産が行われている。「瀬戸内レモン」の特徴は、皮まで安心して食べられ、まろやかで糖度が高い。そのため、鍋料理をはじめレモンを使った多数の料理やイカ天レモン味などおつまみにも使われている。風光明媚なしまなみ海道でのサイクリングや尾道界隈での街歩きも人気となっている。」舘和彦(愛知学泉大学教授)

金賞「優秀賞」

長崎県:五島手延うどん

受賞団体

一般社団法人新上五島町観光物産協会

商品特性

一般的なうどん麺より細い「五島手延うどん」は独特な細さで、もっちりとしながら独特の硬さ、コシというものをもっている。このうどんの誕生が中国からか、また大陸から伝わったといわれる由縁もあるから細麵として存在していること、そして麺の製造にこだわる地元産の塩や椿油を使用するところなどにある。こうした歴史的な製造への伝承がある。

推薦の言葉

・「日本全国にご当地のうどんは存在しているが、五島手延べうどんはその形状、食感などが独特である。細い麺でありながら、独特のコシ、風味を感じる。また、これを生産する過程で、地元の別の特産品である塩、椿油も使用していて、まさに地域特産品といえる。このうどんは、遣唐使の時代に大陸から伝わったと言われており、歴史もある。また、元々地域の人が長年食べてきたものであるからこそ、食べ方もいろいろあり、地域特産としての価値も高いと考える。観光面で見ても、最近の五島列島への人々の人気、興味は増している点も評価できる。」槙利絵子(観光特産士マイスター 観光コーディネーター)

・「讃岐や稲庭と並ぶ3大うどんである。歴史的には8世紀ごろと最も古い。手延べ加工と植物油を用いるので素麺に近いが、その太さからはうどんへ分類。」金廣利三(6次産業化プランナー)

・「五島列島は、2018年に「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界遺産に登録されたことで、観光地としても人気急上昇中である。」舘和彦(愛知学泉大学教授)

・「包丁切りでなく、素麺のように手延べでつくられたことや、島の観光資源の豊富さも併せて、素晴らしい商品だと思う。観光 PR も活発で、島のもう一つの特産である椿の利用のシナジー効果も良い。」笠谷圭児(販路コーディネータ)

金賞「ニューウェーブ賞」

沖縄県:海洋深層水

受賞団体

久米島町役場(商工観光課、産業振興課、プロジェクト推進課)

商品特性

沖縄の離島である「久米島」は海と山、そして水に恵まれた食材の宝庫。おいしい食べ物はもちろん、美しい海やダイナミックな自然がある久米島町では、日本国内だけでなく海外からも注目を浴びている久米島海洋深層水を利活用する漁業用施設の整備をはじめ、関連施設並びに新たな技術を用いた産業の拠点づくりを宇根・真謝地区で展開し、本町における産業の一体的な振興を図っている。

推薦の言葉

・「沖縄の離島である久米島は、1983年に島全体が県立自然公園に指定され、今でも変わらない美しさを誇っている。海の幸を中心にさまざまな特産品があり、その魅力を支えているのが久米島近海で取れる海洋深層水である。飲み水だけでなく、日本一の生産量を誇る車えびや海ぶどうの養殖など各種産業に大きく活かされている。一度は行きたい楽園の島である。海ぶどうは上品なプチプチした食感が特徴でカルシウム、鉄分、ビタミン類などの栄養素も多く、人気急上昇のヘルシー食品である。」舘和彦(愛知学泉大学教授)

・「久米島は、海ブドウ栽培の北限に当たる。塩蔵ものもあるが、生が一番。淡白でプチプチしたピュアな味わいは、泡盛とよく合う。」金廣利三(6次産業化プランナー)

・「一般的には水深200m以深で採取された海水を深層水というが、有名な室戸岬沖の深層水は最深374m、富山湾の深層水で水深321m、沖縄県久米島では最も深い深度の612mから採取された海水で、「低温安定性」、「富栄養性」、「清浄性」などの特徴が際立っていると評されている。近年では海洋深層水で育てた沖縄の観光特産である海葡萄が人気を博している。他方では、車エビの養殖での深層水利用など新しい試みにも積極的で、商品としての冷凍車エビは有名料理店での評価が高くなってきている。県をあげての久米島深層水の取り組みも活発で、ユーチューブや琉球新報などメディアで取り上げられる頻度も多くなった。これからの新しい観光特産としてのポテンシャルに対して大きな期待を感じる。」 笠谷圭児(販路コーディネータ)

(一社)日本観光文化協会 小塩会長からのコメント

コロナ禍によって、良くも悪くも国内外含め「観光」が再注目されました。まだまだ苦しい状況の中ですが、ようやく陽が当たり始めたところです。もちろん観光特産品は「現地で食べないと」「現地で体験しないと」本当の意味で味わったとは言えません。今後状況が変わったときに一番大切なことは「現地で味わう」ことです。現地に足を運ぶことがまだ少し難しい状況ですが、全国各地の観光特産品や特産物を応援していただける、すべての方のお気持ちに応えるべく、日本観光特産大賞の審査を行い、2021年は上記のように決定しました。

受賞された「日本観光特産大賞 グランプリ」「金賞 優秀賞」「金賞 ニューウェーブ賞」については書籍「日本の観光特産」に掲載されています。

今年ノミネートされた特産品・特産物10品

青森県三戸郡 階上(はしかみ)漁師の万能調味料「かぜ水」/宮城県気仙沼市 気仙沼のふかひれスープ/山形県 だだちゃ豆/静岡県浜松市 浜松注染そめ(はままつちゅうせんそめ)/兵庫県 淡路の生しらす丼/鳥取県 大山(だいせん)の白ネギ/広島県 瀬戸内 広島レモン/長崎県五島地域 五島手延うどん/福岡県宗像(むなかた)市 鐘崎の玄海もん/沖縄県久米島町 海洋深層水活用 海ぶどう他

<審査員>(敬称略)

日野隆生(東京富士大学教授)、舘和彦(愛知学泉大学教授)、小財誓子(6次産業化プランナー)、笠谷圭児(販路コーディネータ)、斎藤省吾(商品開発コーディネーター)、金廣利三(6次産業化プランナー)、槙利絵子(観光特産士マイスター・観光コーディネーター)、小塩稲之(日本観光文化協会会長)

【主催】一般社団法人 日本観光文化協会
【運営】日本観光特産士 運営事務局
【お問い合わせ】日本観光文化協会「日本観光特産大賞」事務局  担当 北(きた)TEL03-5948-6581

観光特産大賞とは

「観光特産大賞」とは、毎年12月にその年のヒット商品である観光特産品を一般社団法人日本観光文化協会が表彰してゆく制度です。

昨年の観光特産大賞「グランプリ」は城下町・新潟県村上市の鮭のまち「村上鮭」が見事大賞「グランプリ」を受賞。また、金賞「優秀賞」が山形県河北町発祥の「冷たい肉そば」、金賞「ニューウェーブ賞」を石川県能登町の「イカの駅つくモール」と「小木イカ」がそれぞれ受賞し、地方紙などのメディアに掲載されるなど話題になりました。

この活動の目的は、日本各地で育成されている観光特産品を再発見、再発掘し、一定の価値を付与することで、知名度やブランド力向上に寄与し、地域の活性化を後押しするものです。また、協会では表彰された観光特産品の時代背景や社会的な価値などを今後も調査分析し、内外に発信をしてまいります。

最終選考された3商品については書籍「日本の観光特産・名産」別冊版に掲載されます。また、観光特産大賞の「グランプリ」「金賞」の各ロゴの使用が認められ、商品パッケージ等に使用可能になります。

日本観光特産の表彰については、以下の基準があります。この中のいずれか基準に達していることが必要です。

  1. 観光資源(5体系)を活用した地域の特産品、特産物であること。
  2. 特徴的、差別化された「コトづくり」及び、「場おこし」の活動を行っていること。
  3. 食と工芸、そして観光、地元グルメ、お土産品などで、今年話題になった、特産品、特産物開発であること。

観光特産大賞「グランプリ」、金賞「優秀賞」、金賞「ニューウェーブ賞」

特産品10品が観光特産大賞事務局の専門家委員会によりノミネートされ、最終選考には8名の各界の専門家が審査員となり、ノミネートされた特産品を1位から10位までのランキングを付け、ポイントによる加点方式で集計し、観光特産大賞「グランプリ」、金賞「優秀賞」、金賞「ニューウェーブ賞」が決定します。

「日本観光特産大賞2021」

観光特産大賞「グランプリ」→商品力と仕組みつくりで他を圧倒する商品に贈られる賞
金賞「優秀賞」→今年度、トレンドを捉えた商品に贈られる賞
金賞「ニューウェーブ賞」→新たな市場を創造した商品に贈られる賞

観光特産とは

「観光特産」とは、
「観光資源と地域特産の融合によって生み出された商品及びサービス」のことを『観光特産』と、一般社団法人日本観光文化協会では定義しており、次のような関係図式で表しています。

観光特産 = 観光資源 x 地域特産

※『観光特産』とは、「観光資源」と「地域特産」とを融合させることで地域特有の商品及びサービスの存在になると定義しています。
『観光特産地域』の造成には、地域に備わっているモノやコトである「地域特産」を、観光需要を呼び込む「観光資源」となるように、発掘し、収集して整理していく仕組みづくり=「コトづくり」が重要となります。

観光でその地域を訪れたいと望む人々にとっては、その地域が選択に値する魅力あるものが存在していることがポイントとなります。それは、その地域ならでは、その地域でしか体感できないモノやコトが存在するかどうか、です。そうしたモノやコトは、地域の魅力を構築できる「資源」でもあり、地域の存在を表す「地域特産」ともいえます。地域では、その「地域特産」に成り立ちや誕生にあたっての物語があるかを検証する必要性があります。