2022日本観光特産大賞「グランプリ」 

静岡県 深海魚料理

◆受賞団体 

静岡県沼津市

◆商品特性 

深海魚とは、水深約200mより深いところに生息している魚のことで、駿河湾で水揚げされる主な魚として、「メヒカリ」「ゲホウ」、「ノドグロ」、「ゴソ」、「メギス」、「タカアシガニ」などである。戸田では水揚げされたばかりの新鮮な深海魚を食すことができ、刺身、てんぷら、煮付け、フライ、はんぺん、味噌汁などで食べられている。白身がふっくらと柔らかな食感で、地元の人も好んでよく食べている。戸田地区には駿河湾深海生物館があり、深海魚や深海の甲殻類の標本が展示されている。また千本港町には約200種、3,000体の深海生物が展示されている「沼津港深海水族館」がある。

◆推薦のことば

・「水深2,500mを誇る日本最深の海、駿河湾。その駿河湾に面した沼津市戸田(へだ)では、古くから良港として知られる戸田港を拠点にした深海魚漁が、地域とそのくらしを支えてきた。戸田では、世界最大のタカアシガニをはじめ、他ではめったに出会えない深海魚に、見て・触れて・味わうことができる。また世界唯一の深海生物の水族館「沼津港深海水族館」でも、深海を堪能できる。」舘和彦(愛知学泉大学教授)

・「駿河湾ならではの恵みを活かすことができるモノである。観光の視点からもこの地域は風光明媚、温暖、温泉など魅力がある。深海水族館などの深海魚を知る施設も完備している。また、それを食することができる。」槙利絵子(観光特産士マイスター・観光コーディネーター)

・「希少な深海魚が沿岸から獲れ、各種料理店が多くある。深海水族館もあり、観光誘因となっている。」日野隆生(元東京富士大学教授)

・「テレビ番組でお馴染みの深海魚であるが、一昔前までは黒ムツ・赤ムツ・キンメダイ・高足蟹以外は肝油目当てのサメ程度。駿河湾には約1000種が生存しているので、大半は未活用魚。」金廣利三(6次産業化プランナー)

・「未利用資源の活用から話題性があり、また漁の体験や魚の見分け等、学べるポイントが高かった。」村田豊(元北海道セールスレップ協同組合理事長)

・「「深海」ワールドは未知の世界であり物珍しいので、興味を惹きやすくブランドづくりに適している。相模湾の地勢を活かした特産品の活用により今後発展が見込まれる。」黒田幸代(マネジメントマーケティング・コーディネーター)

グランプリに輝いた「静岡県 深海魚料理」は、地域とそのくらしを支えてきた戸田港を拠点にした深海魚漁、未利用資源としての将来性、そして「沼津港深海水族館」を中心とした話題性が評価されました。

審査員の一人、経済産業省認可セールスレップ・販路コーディネータ協同組合副理事長の笠谷圭児氏は、「温暖化の影響が進み、水産資源がこの先の安定的な食料資源の位置を守っていくためにも、深海魚の有効活用は大きな課題となる。最近では、深海魚を探索する話題の番組も放映されている背景も含め、深海資源の観光特産化は大きな波が来る予感がする。」と評しました。

金賞「優秀賞」 

「福岡県 うきはテロワール」

◆受賞団体 

福岡県うきは市

◆商品特性

うきは市は、フランスのワイン産地ボルドーやアルザスとよく似た日本でも非常にめずらしい地質・地形を有していることもあり、うきは市の農業をとりまく環境を「うきはテロワール」と名付けた。令和元年の年間観光入込客数は240万人、筑後平野を一望できる大野原台地に位置し、「くど造り民家」をモチーフにした外観が特徴の道の駅「うきは」は旅行情報誌の九州・山口の道の駅人気ランキングで6年連続総合1位。柿、梨、ぶどう、いちご、ももなどの生産が盛んである。

(※テロワールとは、生育地の地理、地勢、気候の特徴をさすフランスで生まれた言葉)

・「うきは市はフランスのワイン産地とよく似た日本でも非常にめずらしい地質・地形を有していることもあり、農業をとりまく環境を支える地形を伝承している。」日野隆生(元東京富士大学教授)

・「うきは市は福岡県の南東部に位置し大分県との県境にある。東西に連なる耳納連山や雄大な筑後川などがあり、自然環境に恵まれたまちである。うきは市の農業をとりまく環境を「うきはテロワール」と名付け、最近では、桃、ぶどう、柿、梨など うきは産フルーツを堪能できるスイーツ店をはじめ、お洒落なカフェや雑貨店が建ち並び、観光スポットとして人気である。」舘和彦(愛知学泉大学教授)

・「うきは市は、毎年のように水害に遭い、その中にあっても地域の観光復興に力を注いできている。「うきはテロワール」はそんな環境に住民が団結して作り上げた観光への取り組み。ここで生産され加工されたものが観光特産としてのモデルとなるものと確信している。」笠谷圭児(経済産業省認可セールスレップ・販路コーディネータ協同組合副理事長)

・「「テロワール」というネーミングが都会層にも受けやすくブランディングに積極的である。ホームページもコンセプトが明確で伝わりやすい構成である。特産品と地域資源(歴史・地勢・文化)を融合させて地域全体の魅力を訴求している。」黒田幸代(マネジメントマーケティング・コーディネーター)

金賞「ニューウェーブ賞」 

「新潟県 燕三条金物」 

◆受賞団体  

(公財)燕三条地場産振興センター

◆商品特性 

江戸時代から現在まで金属加工の街として発展し、隣市と合わせ「燕三条」の名前で全国的に広く知られているが、最近では燕市全域及び三条周辺地域にて、金属加工、鍛冶木工、印刷、農業をはじめとするものづくりの現場を見学・体験できるイベント「燕三条 工場の祭典」を開催。普段は閉ざされているものづくりの現場=KOUBAを一斉に開放し、見学・体験できる機会を設けている。

◆推薦のことば

・「芸術性、話題性が満点。コトづくり、場おこしに行政一体となった取り組みも大いに評価される。学ぶ、見る、買うの視点で評価される。」村田豊(元北海道セールスレップ協同組合理事長)

・「金物文化に気楽に触れられるスポットがたくさんあるのも魅力。よって、この日本の素晴らしい技術は、海外展開、あるいはインバウンドの旅行者にもアプローチできるものであると考える。」槙利絵子(観光特産士マイスター・観光コーディネーター)

・「全国的に広く知られている「燕三条」であるが、金属加工、鍛冶木工、印刷、農業をはじめとするものづくりの現場を見学・体験できるイベント「燕三条 工場の祭典」を開催している点が新たに評価できる。」日野隆生(元東京富士大学教授)

・「燕三条は金属加工で世界トップクラスの技術を誇る地域である。ステンレス製の刃物や銅細工もあり、磨きの技術で世界を席巻している。また同市では、“工場の祭典”を10年前から毎年開催しており、お客様がものづくりの現場=KOUBAを見学・体験できるスタイルのイベントを行っている。 約100ある工場を一斉開放し、普段は見ることのできないKOUBAが堪能できる。」舘和彦(愛知学泉大学教授)

・「江戸時代、水害の多発する燕三条では新田開発に困難を極めた。稲作に代わって釘づくりを始め、農家の副業として広がったのが和釘づくりの始まり。時代は流れ、今では洋食器(ナイフ、フォーク、スプーン、皿、包丁など)を中心として全国の大半を生産するに至る。一途な執念、ここに極まれりの感あり。」金廣利三(6次産業化プランナー)

・「燕三条と言えば金属加工業で有名。個性的なメーカーが多く商品開発にも積極的で、「モノづくり」を通して開かれた地域を目指している。暮らしに身近の製品が多いので、コトづくりも含めて広い層に受け入れやすいのでは。」黒田幸代(マネジメントマーケティング・コーディネーター)

(一社)日本観光文化協会 小塩会長からのコメント

「観光」業界はまだまだ苦しい状況の中ですが、ようやく陽が当たり始めたところです。観光特産品は「現地で食べないと」「現地で体験しないと」本当の意味で味わったとは言えません。一番大切なことは「現地で味わう」ことです。
活動目的のとおり、日本各地の観光特産品を再発見、再発掘するとともに、時代にあった持続可能な地域活性化を後押しすべく、日本観光特産大賞の審査を行い、2022年は上記のように決定しました。

◆今年ノミネートされた特産品・特産物15品は以下の通り 

北海道 「さんま魚醤」/山形県 「くじら餅」/秋田県 「大館とんぶり」/新潟県 「燕三条金物」/静岡県 「深海魚料理」/山梨県 「吉田のうどん」/三重県 「豆腐でんがく」/兵庫県 「丹波黒」/愛媛県 「タルト」/岡山県 「ままかり」/香川県 「小豆島素麺」/福岡県 「うきはテロワール」/熊本県 「いきなり団子」/佐賀県 「呼子のイカしゅうまい」/鹿児島県 「きびなご」

「日本観光特産大賞」とは

「日本観光特産大賞」とは、毎年12月に一般社団法人日本観光文化協会が、食と観光、地元グルメ、お土産品などでその年話題になった観光特産品を表彰してゆく制度です。授賞式は2024年1月に開催されるMMPグループの全国大会で執り行われます。

観光でその地域を訪れたいと望む人々にとっては、その地域に選択に値する魅力あるものが存在していることが重要となるため、一般社団法人日本観光文化協会では「観光特産」を 「観光資源と地域特産の融合によって生み出された商品及びサービス」であると定義しています。

観光特産 = 観光資源 x 地域特産

「観光特産大賞」とは、毎年12月にその年のヒット商品である観光特産品を一般社団法人日本観光文化協会が表彰してゆく制度。この活動の目的は、日本各地で育成されている観光特産品を再発見、再発掘し、一定の価値を付与することで、知名度やブランド力向上に寄与し、地域の活性化を後押しするものです。協会では表彰された観光特産品の時代背景や社会的な価値などを調査分析し、内外に発信をしていきます。

観光特産大賞発表までのスケジュール(予定)

ノミネート募集開始:2023年8月1日(火)

ノミネート応募期限:2023年11月1日(水)

11月:「観光特産大賞」決定

12月初旬:プレスリリース

ノミネートされた特産品を観光特産協会専門委員会による選考で10品に絞り込み、1位から10位までのランキングを付け、ポイントによる加点方式で集計し「観光特産大賞 グランプリ」「金賞 優秀賞」「金賞 ニューウェーブ賞」を決定します。

最終選考された3商品については書籍「日本の観光特産」別冊版に掲載(昨年までの受賞分は新刊に掲載)、観光特産大賞の「グランプリ」「金賞」の各ロゴの使用が認められ、商品パッケージ等に使用可能となる。昨年の観光特産大賞は、「静岡県:深海魚料理」が「グランプリ」を受賞。また、「福岡県:うきはテロワール」が「金賞 優秀賞」を、「新潟県:燕三条金物」が「金賞 ニューウェーブ賞」を受賞し、地方紙などのメディアに掲載され話題となった。

〔詳細〕https://jtmm.jp/award2022/

※注 当協会において「観光特産」とは、「観光資源と地域特産の融合によって生み出された商品及びサービス」のことで、「観光特産=観光資源×地域特産」という公式で定義している。

日本観光特産の表彰については、以下の基準があり、この中のいずれか基準に達していることが必要です。

1.観光資源(5体系)を活用した地域の特産品、特産物であること。

2.特徴的、差別化された「コトづくり」及び、「場おこし」の活動を行っていること。

3.食と工芸、そして観光、地元グルメ、お土産品などで、今年話題になった、特産品、特産物開発であること。

今年も「日本観光特産大賞」を開催します!2023日本観光特産大賞

~日本観光特産大賞のこれまでの実績~

<第1回:2019年>観光特産大賞の創設、会員に積極的にアプローチを図り、200余の応募受付となる。その中から11品に絞りこんだ。

・観光特産大賞「グランプリ」:北海道幌加内町『幌加内そば』

・金賞「優秀賞」:岡山県真庭市『蒜山ヤマブドウのワイン』

・金賞「ニューウェーブ賞」:徳島県吉野川市『美郷の梅』(梅酒特区)

<第2回:2020年>ニュースプレスの手法を積極的に活用。全国30紙以上の新聞に観光特産大賞ノミネート記事投入。会員から73のノミネート品があり、その中から20品に絞りこんだ。

・観光特産大賞「グランプリ」:城下町・新潟県村上市 鮭のまち『村上鮭』

・金賞「優秀賞」 :ベニバナの郷・山形県河北町発祥『冷たい肉そば』

・金賞「ニューウェーブ賞」:石川県能登町「イカの駅つくモール」と特産物「小木イカ」

<第3回:2021年>広報体制をさらに強化し、ニュースプレスを投入。85のノミネート品の中から当協会専門委員会が10品に絞りこんだ。

・観光特産大賞「グランプリ」『広島県:瀬戸内 広島レモン』

・金賞「優秀賞」『長崎県:五島手延うどん』

・金賞「ニューウェーブ賞」『沖縄県海洋深層水』

<第4回:2022年>

・観光特産大賞「グランプリ」:「静岡県 深海魚料理」

・金賞「優秀賞」:「福岡県 うきはテロワール」

・金賞「ニューウェーブ賞」:「新潟県 燕三条金物」

◇過去の受賞はこちら→→【2022日本観光特産大賞】【2021日本観光特産大賞】 【2020日本観光特産大賞】

                                                                     

 <日本観光特産大賞>
◆審査方法:一般社団法人日本観光文化協会会員によりノミネートされた観光特産品を当協会専門委員会による選考で15品に絞りこみ
◆最終選考:審査員によるランキング付け・順位を数値化し集計
◆審査員(敬称略):日野隆生(元東京富士大学教授) 舘和彦(愛知学泉大学教授)笠谷圭児(経済産業省認可セールスレップ・販路コーディネータ協同組合副理事長)黒田幸代(マネジメントマーケティング・コーディネーター) 金廣利三(6次産業化プランナー)村田豊(元北海道セールスレップ協同組合理事長) 槙利絵子(観光特産士マイスター・観光コーディネーター)小塩稲之(日本観光文化協会会長)
【主   催】      一般社団法人 日本観光文化協会
【運   営】      全国観光特産士会 運営事務局
【特   典】      最終選考された「日本観光特産大賞 グランプリ」「金賞 優秀賞」「金賞 ニューウェーブ賞」にいては書籍「日本の観光特産」の別冊版に掲載されます。
【問い合わせ】     日本観光文化協会「日本観光特産大賞」事務局  
          担当 北(きた)TEL03-5948-6581                                                      
(一社)日本観光文化協会
設立:2001年11月 / 会長:小塩稲之 / 所在地:東京都北区赤羽西1-22-15 / 電話:03-5948-6581 
活動内容 / 日本で唯一、プロフェッショナルの「観光プランナー、観光士、観光コーディネーター」を養成し、資格を認定。また、「観光特産士(マイスター・2級・3級・4級)」の検定である全国観光特産士検定も実施。現在、当協会からの観光関連の資格認定者が全国に1500名在籍中。資格認定者は、国、地方公共団体、商工会、商工会議所などの公的事業や観光関連の民間企業を支援。今後も地域の資源活用のために、観光関連の企業情報、 地域情報などを独自に入手、調査、分析。全国の生産者、観光産業や食、伝統工芸品など、地域産業の発展のために寄与する様々な活動を企画運営実施。          

ニュースリリース

【読売オンライン】22年12月6日掲載

【サンスポ】22年12月6日掲載

一般社団法人 日本観光文化協会主催 『2022日本観光特産大賞』が決定! グランプリは「静岡県 深海魚料理」 | のプレスリリース (dreamnews.jp)