【幌加内】「幌加内町そば活性化協議会」(清原覚会長)の「幌加内そば」が、日本で唯一、観光プランナーや観光士の資格認定を行う「日本観光文化協会」(本部・東京) が主催する「観光特産大賞・グランプリ(最高位)に輝いた。

風味豊かな「幌加内そば」と、生産量日本一を誇るそばを核にした多種多様な地域おこしの取り組みが評価されたもので、「みんなで喜びをわかちあいたい」(清原会長)。

日本各地の観光特産品の知名度・ブランド力向上に寄与し、地域の活性化を後押しする表彰制度で、2019年に創設した。国内の観光特産品の中から協会の専門家らが独自に推薦した九十品を、観光特産大賞事務局・専門家委員会で十一品に絞り込み、観光など各界の専門家・十審査員の加点方式による集計で「観光特産大賞・グランプリ」「観光特産金賞・優秀賞」「金賞・ニューウエーブ賞」 が決まった。大賞・グランプリは、商品力とブランド構築の仕組みづくりで他を圧倒する商品に贈られる。

幌加内がソバ栽培に大きくカジをきったのは70年--。減反(コメの生産調整)に伴う”負からのスタート” だった。幌加内の基幹経済の屋台骨を担うコメの作付面積が大幅に減らされる。活路としたのがソバだった。幌加内の冷涼な気候に加え、盆地特有の寒暖の差が著しいこと、朝露などの気象条件がソバ栽培に適していた。生産者の頑張り。町や関係機関が支えた。今では作付面積・収量共に「日本一のそばの里」に。今年は108戸が3,500ヘクタールを栽培した。年間生産量は3,000トン前後。収穫後、速やかに乾燥調製施設に一元集荷し、玄そばの品質を均一に管理。風味を損なわない自然乾燥に近い除湿マドラー通風方式による丁寧な手法が高く評価された。高品質な玄そばを原料に乾めんなどの加工品に地域団体商標・「幌加内そば」を登録する積極的な取り組みにも光をあてた。「幌加内町そば活性化協議会」は99年設立。幌加内町・地元のJA・商工会・観光協会-など18団体で構成する。

ソバの花が織り成す”純白のジュウタン” といった農村景観づくりや、そば打ち体験などを通して都市と農村の交流機会を創造するなど地域の活性化に寄与していることが評価された。日本観光文化協会の公式HPによると、「多くの中高年がそば打ちに興味を抱くポイントを突き、多彩なそば料理や食べ方を紹介するとともに腕前を競うイベントも盛大に行われ、全国から人が集まる一大行事として定着している。村おこしの成功例と判断する」(推薦の言葉・金廣利三観光コーディネーター)と評価した。具体的には、四半世紀続く「幌加内町新そば祭り」を挙げ、2日間で全国から5万人を動員する食の一大イベントに成長させるなど幌加内の特産品・そばを核にした観光事業の成功事例と認めた。

観光特産大賞「グランプリ」には、ロゴの使用が認められ、商品パッケージに使用が可能となる。突然の朗報に清原会長は「びっくりする話しで驚いている。私たちは、そばで幌加内を活気づけようというのが基本。みなさん(官民の18団体)の力を結集した頑張りが認められてうれしい。これを機会に『幌加内そば』の名前が全国に広がれば」。

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北空知新聞